高品質・低価格なチリワインの味の特徴とは?

チリワインというと、安くて美味しいというイメージがあるかもしれません。しかし、近年では素晴らしい品質の高級ワインもありますし、その多様性の多さに戸惑っている方もいるでしょう。

ここでは、高品質・低価格なチリワインの味の特徴について解説していきます。

ブドウの栽培に適した環境のチリワインの味の特徴とは

チリがワイン大国となっている理由に、その栽培環境の良さがあります。そもそも、ブドウ樹をどんどん死滅させてしまう、フィロキセラの影響が一切無かった国ですので、自根のブドウの古樹が多く残っています。

こういった状況から、品質の高いワイン用ブドウが収穫できるという点があります。また、降雨量が少なく昼夜の寒暖差も大きい、乾燥した乾いた土地であるというところもポイントです。

ブドウ樹を植えておき、最低限の世話をしていればあっという間にワイン用ブドウがなってしまう、という良い環境のため、大量生産に向いているわけです。

ただし、近頃では海側と中心部、アンデス山脈側といったように、3つの区画に分けて栽培エリアが分かれだしており、冷涼な地域で栽培されているブドウが高品質だと話題です。

高級ワインは海側、アンデス山脈側で造られていることが多く、中心部は平坦な土地であるため、比較的安価なワインが造られてる傾向にあるようです。

果実味が濃くて飲みやすいワインが多い

チリというと、果実味がたっぷりと感じられる、濃いワインが多いイメージがあるでしょう。その理由に、平均気温が高いためブドウの糖度が早く上がり、比較的ボリューミーなワインが造りやすいという理由があります。

当然、甘さのある濃い赤ワインや白ワインができれば、消費者に喜ばれやすく、低価格でありながら高品質なワインを提供することが可能です。

さらに、オーガニック栽培に適している産地でもあるため、大手でありながら比較的自然な造りのワインも多く見られます。

一方、前述しているように繊細な味わいのワインを造る生産者も増加中であり、国際品種を使ったワンランク、ツーランク上のチリワインも楽しむことができます。

こちらは、逆に樽のガンガン効いた濃いものなどではなく、ブドウ本来のポテンシャルを生かした、繊細で緻密、エレガントな風味に抑えているワインとなります。

価格も高額と言われていますが、まだまだ数千円程度であり、フランスのような高額ワインではありません。チリワインも今、大きく変わり始めています。お求めやすい価格である今がチャンスなのかもしれません。