ワインには、飲み頃が存在します。例えば、赤ワインは熟成させることにより、液中のさまざまな成分が良い意味でまろやかな口当たりに変化していきますが、ある一定のピークを過ぎると途端に美味しさが半減していきます。
ここでは、飲み頃を過ぎたワインの活用方法をいくつか紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
保存状態が悪かったワインは味を損なうこともある
ワインはとても繊細です。例えば、高温状態で数日放置してしまうと、酸素に反応しやすくなったり、酒質が変化するなど味わいが損なわれます。
振動は、液中のクラスターなどに悪影響を与えたり、暗所でないと光がボトルから入ってきて酒質を変化させたりなど、せっかくのワインも抜栓したら風味が損なわれていた…ということも起こり得ます。
通常、輸入ワインは750mlですので、抜栓してテイスティングした時に、飲み干せないとなったらどうでしょうか。そのまま捨ててしまうのでしょうか。
また、中にはただ飲み干せずに放置して、結果捨ててしまうようなワインもあるでしょう。
何となく、もったいない気もしますよね。
飲み頃を過ぎた場合料理酒として使うのがおすすめ
実は、ワインが美味しくなくなっていたとしても、細菌が入り込んでいるわけではなければ、その品質には問題はありません。
あまり美味しいと感じないかもしれませんが、体に入れても害(アルコールによる作用は除く)は無いので安心して使うことができるのです。
しかし、そのままで飲むのはツライ…。そんな時には、料理酒として利用してみるのをおすすめします。
例えば、赤ワインの場合、含まれているポリフェノール、特にタンニンが肉類や魚類の臭みを抑えたり、旨味を封じ込めたりとさまざまな作用があることが分かっています。
白ワインであれば、有機酸が豊富に含まれており、生臭さや殺菌効果、さらに肉類を柔らかくする効果などもある、と言われています。
外国には、ワインを料理酒として利用した料理が多く存在していますし、せっかくなので料理のレベルを上げる意味合いでも、楽しみながら使ってみることをおすすめします。ここでひとつ、ワインを料理酒として使ったレシピをひとつ紹介します。
ぜひ、参考にしてみてください。
【魚介類の白ワイン蒸し】
貝類やエビなど、こういった魚介類を白ワインを使って蒸すだけで、ワインのおつまみにぴったりな料理ができます。手軽なので、ぜひチャレンジしてみましょう。
◎用意する材料
- あさり300g
- エビ150g
- オリーブオイル適量
- 白ワイン3/1カップ
- ニンニク2かけ
- 万能ネギ1/3束
- バター10g
①砂抜きしたあさり、皮を剥いたエビを用意します。この時、先に軽く白ワインで洗っておくと臭みが抜けるので良いでしょう。
②フライパンにオリーブオイルをたっぷりと入れ、にんにくを焦がさないよう、香りが出てくるまで炒めます。
③あさり、えびをフライパンに入れ軽く全体を炒めます。その後、白ワインをたっぷりと入れ、フタをします。
④あさりの口がひらいたらバターを入れて全体に馴染ませ、皿によそいます。
⑤あとは、万能ネギをたっぷりと全体に振りかけて出来上がりです。
手軽にできるだけでなく、飲み頃を過ぎた白ワインを主役に使うことができるので便利。ぜひ、お試しください。
肉料理×赤ワインが便利
白ワインを使いましたが、やはり肉料理と赤ワインの組み合わせは良い結果を生み出す定番です。前述したように、タンニンが肉表面の筋原繊維タンパク質など、肉に多く含まれているタンパク質に作用し、肉汁の放出を防ぐ役割を持っています。
そのため、肉料理を作る前に、その肉を赤ワインにマリネしておくだけで、旨味がしっかりと残った肉料理になるということです。また、注目すべきポイントとしては、肉が柔らかく調理できることと、味わいに深みが出るということです。
肉を煮込み料理に使用する場合、かたすぎると食べている方も体力を使います。赤ワインにはアルコールが含まれており、沸点を下げることができるため、余計に火を入れずに低温で調理を行うことが可能です。
また、ワインに含まれているさまざまな成分がソースに溶け込んで行き、まろやかな風味を形成していきます。デミグラスソースにたっぷり赤ワインを入れているシーンを見たことがある方が多いはずですが、あの美味しさこそ、赤ワインのおかげといっても過言ではないのです。
サングリアにする
飲み頃を過ぎた赤ワインや白ワインは、サングリアにしてしまうという手があります。果実の旨味がしっかりと溶け出し、甘くフルーティーな味わいに仕上がります。
基本的にはシロップや甘いリキュールを使いますが、簡単なレシピをここで紹介しておきましょう。
◎用意する材料
- 赤ワイン1本
- ランデー100ml
- 砂糖シロップ大さじ4杯
- オレンジやレモンなどお好みのフルーツの皮と実 一個
①サングリア用のボトルなどにワイン、ブランデーを入れ、砂糖シロップをよく混ぜます。
②果実は皮をむき、実も一緒に入れます。
③最低半日、一日で出来上がります。暗所に置いておくと良いでしょう。
入浴剤として使ってワイン風呂にも
日本酒など、アミノ酸がたっぷりと含まれているということで、入浴剤として使うことがあります。
もちろん、ワインにも含まれていますし、ブドウ由来の成分も多く含まれているため入浴剤として使うことができます。
しかしアルコール飲料ですので、アルコールに弱い方や敏感な方は一度煮沸してアルコールを飛ばし、それから入れるようにしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
このように、飲むだけでなく、さまざまな使い方が楽しめるのがワインの良いところです。
飲み頃を過ぎたワインがある方は、ぜひ今回ご紹介した方法を参考にしてみてくださいね。