ワインを購入した後、あなたはどのように扱っているでしょうか。直ぐに飲んでしまうのであれば冷蔵庫で保存するだけで問題ありませんが、長期間保存するとなると、それなりに保存方法にこだわる必要があります。
ここでは、おすすめのワイン保管法をお伝えしていきましょう。
ワインの保管方法に気を遣ってより美味しく飲もう
「ワインは生き物」という言葉がありますが、その理由は熟成していくというよりは、化学変化が起こりやすいという点で生き物と考えるべきです。
ワインの中にはさまざまな化学成分が含まれています。ポリフェノールはもちろん、有機酸やアルコール類など、これらが複雑に混ざり合ってひとつの液体として存在しています。
例えば、空気中の酸素にワインが触れると酸っぱくなるのではなく、その酸素とさまざまな成分が結合して、今までに無い香りを発するようになったり、好ましくない香りを発したり、心地よい香りが消滅してしまったりします。
そのため、ワインをできるだけ長く美味しく飲みたいのであれば、保存方法にこだわる必要があるのです。
直射日光を避けて涼しい場所に保管するのが基本
まず、ワインの基本的な保存方法として、「直射日光」を避けましょう。コンビニの雑誌コーナーのガラス側のものが、色褪せてしまっている風景を見たことがあるかもしれませんが、それだけ直射日光は当たっている物体に影響を与えるということにあります。
ワインの場合、色味が濃い茶色や黒色のものであればまだ良いのですが、透明だったり薄めの緑色ボトルなども少なくありません。
日光の光を透過させやすいボトルの色であれば、必ず短時間であっても日陰や冷蔵庫、ワインセラーなどに保存しておくことをおすすめします。
その理由としては、光が液体にあたっていると成分に変成がおきやすくなること、pHなどが高まり味わいが劣化してしまうことがあります。香りが揮発しやすくなったりするので、光の有無に関しても注意して扱うべきなのです。
未開封のワインの保存方法
購入してきたワインは基本的に未開封。後で飲もう、ということで冷蔵庫にそのまま入れてしまっている方も多いでしょう。しかし、ワインのスタイルによってボトルの保存方法を変化させる、というやり方が賢い保存方法です。
まず、フレッシュ&フルーティーな白ワインの場合、はや飲みタイプですので、できるだけ冷蔵庫の野菜室やワインセラーで保存しておきます。白ワインはスクリューキャップのものが多いので、1日〜2日程度であれば劣化せずに保存をすることができます。
赤ワインの場合、室温が12℃前後の季節であれば、ボルドー系の重たいワインは暗所であれば特にどんなところでも構いません。
下手に冷蔵庫に入れてしまうと、ボトルがやせていき酸素が入りやすくなります。一方、軽めの赤ワイン、ミディアムボディの赤ワインの場合も気温が低ければ良いのですが、20℃前後になっている場合は冷蔵かワインセラーで問題ありません。
赤ワインも、やや冷やして飲んだ方が美味しく楽しめるものが少なくないので、ぜひチャレンジしてみましょう。ちなみに、甘口ワインやスパークリングワインは冷蔵、ワインセラー保存は必至です。
開封済みワインの保存方法
開封したワインは、一度酸素が入ってしまっているので、劣化を止めることはできません。
ワイングッズの中には、ボトルヘッドの部分の酸素を抜いてしまったり、窒素を吹き込んで酸化を防いだりするものなどがありますが、かなり高額で、コレ無しでワイン愛好家は語れない…というものではありません。
一般的な場合、開封後はしっかりとコルクやスクリューキャップをしめて、冷蔵庫で保存すれば問題ありません。
しかし、コルクの場合は多少の酸素が透過してしまいますし、冷蔵庫の中の香りが入り込んで変わった味わいになってしまう可能性があります。
そして、3日後にはやはり香り成分などがほとんどなくなっており、初日のような美味しさを楽しむのは、難しくなるかもしれません。
「コルクは寝かす」と言われていますが、一度開封して3日以内に飲みきるのであれば、そこまでこだわる必要はありません。長期熟成、コルクの高級ワイン。そういった場合は、横に寝かせて保存しておきましょう。
お金に余裕があればワインセラーの購入がおすすめ
さて、ここではワインの保存方法をお伝えしてきましたが、やはり余裕があるのであれば、ワインセラーを購入するにこしたことはありません。
冷蔵庫の野菜室、屋内の暗所、玄関などそれなりにワインを美味しい状態で保存できます。
しかし、本来ワインは私たちが想像している以上にデリケートなお酒であり、細かなことを言えば、保存方法が合わないだけで美味しさが半減してしまうのです。
やはりワインを美味しく飲むためには、ワイン保存のために造られているワインセラーを用意するべきだと考えます。
筆者もワインセラーをいくつか持っていますが、おかげで不安なく、いつでも最高の状態でワインを楽しむことができています。
「大丈夫かな…」と、不安になりながら抜栓するのではなく、余計なことを考えずにワインを楽しめることは、実はとても重要なポイントです。ぜひ、お金に余裕がある方はワインセラーの購入を検討してみてください。