ワインを楽しむ際、グラスにこだわって選ぶだけでその味わいが大きく変わります。ここでは、ワインをより美味しく飲むためのグラスの選び方をご紹介していきます。
飲むワインによってグラスの選び方を変えよう
ワイン、とひと言で言ってもその種類はさまざまです。基本的には、ワインは大きく分けて4つに分かれると言えます。
まず、たっぷりと充実したボリューム感のある赤ワイン。ライトで軽やかな赤ワイン。フレッシュな白ワイン、ボリューミーな白ワインです。
もちろん、なかにはスパークリングワインもあるため、細分化していくとその種類はさまざまです。同じワインであっても、香りの揮発の仕方も違いますし、ボリューム感によって風味の感じ方も変わってきます。
例えば、お米を食べることを考えてみてください。同じ米であっても、タイ米だったり、チャーハンだったり、おかゆだったり、その形状が変化していきます。もちろん、それぞれに同じ器で提供されることはなく、それに合ったもので提供されるはずです。
つまり、米という同じ種類の食材であっても、調理法によって器を変えたり、スプーンや箸、素手といった方が美味しく感じるわけです。
ワインも全く同様で、”そのスタイルに合わせて楽しむべきグラスを変化させていく”というのがポイントになってくるのです。
ワイングラスの種類
ワイングラスを変化させろ、といってもそれがどんなものか分からない方も少なくありません。まず、グラスにはどんな種類があるのかご紹介していきましょう。
ブルゴーニュ型ワイングラス
ブルゴーニュ型ワイングラスは、ブルゴーニュ地方の主要品種、ピノ・ノワールで造られた赤ワインを美味しく飲むために造られたグラスです。
ブルゴーニュ型ワイングラスは、一般的なワイングラスと比べるとひじょうに口部分が広く、ゴージャスな印象を与えます。このグラス最大の特徴としては、赤ワインを注ぐことでしっかりと空気中の酸素を液体がぶつかるため、結果的に繊細だった赤ワインの香りがぐっと広がって行く、ということがあります。
また、近年は徐々に変化はしているものの、ピノ・ノワールは酸度が比較的高いことから、その酸味を生かすために先端部分が薄めに造られています。
甘味、酸味を感じさせる舌の受容体に触れやすくなる構造となっているなど、考えられて造られているグラスと言えるでしょう。
ボルドー型ワイングラス
カベルネソーヴィニョンやメルローなど、ボリューム感のある品種で造られるボルドー地方の赤ワイン。ボルドー型ワイングラスは、やや厚みがあり口部分が広くないスタイリッシュなグラスにデザインされています。
これは、複雑な香りを整えるためにカーブがついており、口内でワインの風味が広がるように設計されています。香りをたっぷりと楽しむというよりは、口の中でふんわりと広がるように造られているのです。
白ワインのグラス
白ワインの場合、基本的にはフレッシュさとその爽やかな香りを楽しむため、ボウル部分が小さめのグラスが多いようです。
ただし、ブルゴーニュシャルドネのような、樽が効いたボリュームのあるワインの場合は口部分が広く、飲む際に香りがたっぷりと楽しめるような形状になっているグラスが使われます。
もちろん、選び方は自由ですが、楽しんで飲めるようなものが良いでしょう。
シャンパーニュ用グラス
シャンパーニュグラスというのは、スパークリングワイン用のグラスです。繊細なフルート型になっており、注いだ時に泡が揮発しにくくするとか、立ち上る泡を美しく見せるなど、華やかな印象を与える効果を狙って造られています。
細く、立ち居振る舞いも美しく見えるところもパーティー向きです。
おすすめのグラスメーカー
ここからは、おすすめのグラスワインメーカーを紹介していきます。
リーデル
オーストリア、クフシュタインに本拠地を構える、世界的ワイングラスメーカー、リーデル。
ワインの個性に合わせたグラス造りはもちろん、割れないグラス、高級素材を使用したグラス、さらに化学的にどういったワインにはどういったグラスであるべきか、という研究を重ねて造られたグラスが数多く揃っています。
ワインを志すもの、全てが憧れる高級ブランドです。
ロブマイヤー
世界の王室など、VIPを迎える晩餐会用に使われている高級ブランドがロブマイヤーです。
1823年にガラス細工職人であるヨーゼフ・ロブマイヤーによって立ち上げられたブランドであり、今やウィーンから世界中の人々に愛されるブランドになっています。
クリスタル製品を使用しており、品質の丈夫さや確かさは世界の要人たちのお墨付き。セレブな雰囲気を楽しめるブランドです。
ザルト
イタリアのベネツィアで創業したザルトは、今や世界中のワイン愛好家たちに愛されている、世界最高峰のワイングラスメーカーとして知られています。
美しいフォルムをベースにバランスを重要視した、プロ御用達のワイングラスを製造しているブランドです。
なぜグラスによって味が変わるのか?
「ワインなんて、どんなグラスで飲んでも一緒ではないか。」
そう思っている方もいるでしょう。
しかし、グラスを傾けた時に香りの出方、口内のどこに入って行くかでワインの特徴や個性が大きく変わります。
例えば、香りが繊細なワインの場合は口部分が広めの方が香りをキャッチしやすくなります。ボリューム感が重視されているワインの場合は、口内でバランス良く広がる方が美味しく感じるのです。
グラスにこだわるだけでも、同じワインが全く別ものに感じます。ぜひ、こだわって選んでみてください。